日本政策金融公庫からの借入を返済する時に気をつけることは何ですか?
返済期日に確実に返済することが重要です。
この返済の履歴は、次の融資に影響してきます。
日本政策金融公庫以外の民間銀行であれば、残高不足のときにすぐ入金すれば、その月の返済が遅れたということにならない場合もあります。
しかしながら、日本政策金融公庫は、期日に借入金の返済(口座からの自動引き落とし)ができないと、事故口とみなされます。事故口となれば、次回の借入が困難になりますので注意が必要です。
公庫を利用して返済途中ですが、返済が終わらないと新規借入申込はできませんか?
また、借り換えを行ったり、複数の融資制度(「普通貸付+経営改善貸付」等)を組み合わせることもできます。
「借り換え」とは何ですか?
借り換えをすることで、現在の融資残が返済されるので、月々の返済額を減らすことができます。
現在のような低金利の時には、借り換えによって、かつての高金利の時に組んだ借入を低金利の借入にすることもできます。
日本政策金融公庫から、この前借入をしたのですが、すぐに借り換えはできますか?
あまり早い時期には借り換えできません。早い時期に申し込みをして、融資が否決された場合は、次の融資に悪影響があるため十分ご注意下さい。
また、私のところにご相談に来られる方には、今後のその企業の返済のことを考えた場合、融資残が1/3以下になったときが借り換えの目安とアドバイスをしています。
借り換えを行う場合、既存の融資で返済が遅れていた場合には、どのような評価がなされますか?
特に、返済期日前には必ず通帳残高を確認するようにしてください。
現在の借入を完済してから新たに借入をするより、借り換えして継続して借りていた方が有利なの?
個人事業で親の名義で借入があります。これを息子が引き継いで借り換えができますか?
繰上げ償還とは何ですか?
予定より早く返済できる場合は、日本政策金融公庫に電話して、借入者本人がいつ融資残を振込できるかその期日を指定します。
期日を知らせることで、その日までの融資残に対して日本政策金融公庫が利息計算をし、振込み金額を教えてくれます。
振り込み金額が確定後、その期日に指定振込口座へ入金することになります。
月々の返済が厳しくなってきました。どのようにすればよいですか?
悩まないでください。是非気軽に日本政策金融公庫に相談するとよいでしょう。金融機関に返済が難しいことを相談することを、何か悪いことをしているような、何か後ろめたい気がしている経営者の方は非常に多いようです。
日本政策金融公庫の担当者から直接お話を伺いましたが、そんな遠慮はまったくいりません。お電話でよいので悩まずに気軽に相談してくださいとのことでした。
基本的に日本政策金融公庫は、返せない状況になってから「もう返せない」と言われるよりは、リスケジュール(条件変更)の方がよいと考えています。
なぜなら、まったく回収不能になってしまうよりは、少しずつでも返済してもらい回収できたほうがよいからです。
リスケジュール(条件変更)とは何ですか?
ただし、借入期間は長くなりますので、利息はその分多く支払うことになります。
リスケジュール(条件変更)すると、今後どういう影響がありますか?
なお、当面の新規融資ができないことをそこまで不安視することはないと思います。なぜなら、現状ですら月々の支払いが厳しいので、もともとそういう状況下で新規融資は難しい可能性が高いからです。
もし、返済途中に業況がよくなってきたら、繰上げ返済等で対応することもできます。
保証人が付いた借入を第3者保証人等を不要とする融資(+0.65%)で借換ができますか。
財務内容次第であるが制度上は可能です。ただし、内容が悪くなっている場合は、再度保証人を付けなければならない場合もあります。
新会社に旧会社の債務を移行できますか?
はい、可能な場合があります。
こういったケースは債務引受といいますが、債務引受が可能であるかどうかは借入れの本数によって異なります。
旧会社の借入が一口の運転資金の債務であれば、分割は不可能です。
しかしながら、新会社の設備資金の債務であることが明らかであれば新会社はその分を引受可能です。
旧会社の借入が複数口の運転資金の借入であれば、口毎に引受(または債務を分割)することは可能です。
ただし、旧会社は重畳的債務引受(債務引受のうち、旧債務者と新債務者が連帯債務者となる併存的な債務引受)となります。