事業計画書について
事業計画書とは、主に金融機関からの資金調達の際に、自社の説明資料として作成される書類です。
例えば、金融機関に事業資金の借入を申し出るときは、借入資金の用途や返済計画について説明を求められます。
その際に、「こういう事業計画で、このような収支見込になり、このような計画で返済が可能なので、この金額の借り入れをお願いしたい。」という説明をする際には事業計画書のスタイルが最も適しています。
事業計画書は、金融機関への借入時に必須の書類ではありませんが、事業計画書があるとより説明が具体化し、金融機関としても融資判断がしやすくなります。
事業計画書のフォームには特に決まった形というのはありません。
一般的に事業内容、取り扱い商品、売上及び収支見込、資金繰り、返済計画、今後の展望などを盛り込んだ書類になります。
また、事業計画書は、自分の会社の今の状況を整理してかつ書面化することで、自社の返済計画等を明らかにすることもできます。
借り入れを申し込む時には、金融機関から求められずとも、ぜひ事業計画書を作成することをおすすめします。
事業計画書が必須となる場合
日本政策金融公庫から、開業資金を借り入れようとする場合、この事業計画書(日本政策金融公庫では創業計画書とよんでいます)の提出は必ず求められます。
そして、この事業計画書(創業計画書)などをもとに、融資の審査が行われます。
日本政策金融公庫の創業計画書のフォームはこちら
今後の見通しや返済計画を金融機関に示すためにこの事業計画書が必要になります。
上手な事業計画書を作成するコツ
POINT1.専門用語や業界用語を並びたてない。
相手は融資に関しては専門家ですが、あなたの事業や業界のことについてはあなたほど詳しい訳ではありません。
専門用語などを多用せず、誰にでもわかるような平易な文章で作成するように心掛けてください。
POINT2.数字の根拠を具体的に
売上や収支見込などの数字を出す場合、根拠を説明できたほうがよいでしょう。
できれば、そういった根拠となるデータや資料なども付属するとよいでしょう。
POINT3.わかりやすく端的に
時々2~30ページほどにもわたる事業計画書を作成される方もいらっしゃいます。
確かに詳しくてよいのかもしれませんが、担当者もたくさんの資料に目を通すのは大変です。
融資担当者は、数人の上司に対して、あなたの企業のことを説明して、稟議をあげていかなければなりません。
わかりやすく簡潔に要点をまとめて、A4サイズで4~5枚程度、多くとも10枚程度でまとめることをおすすめします。
なぜ事業計画書を書くのか。
融資審査は、稟議書で行われ、融資面接をした担当者が稟議書を作成します。
そして、日本政策金融公庫内で数人の上司に、稟議書が回覧されます。
ここで重要なのは、「稟議書は書面で回覧される」ということです。
書面で回覧されるということは、稟議書作成時に、稟議書に盛り込まれる内容が審査を大きく左右されます。
あなたが自社のアピールを「口頭」で行ったとしますと、融資担当者はあなたの言ったことを全部書きとめて稟議書に書くことは難しいでしょう。
つまり、あなたが融資面接において、いくら審査に有利になるようなことを話したつもりでも、それが稟議書に書かれることは少なく、最終的に融資を決裁する担当課長や支店長まではそれが伝わりにくいのです。
ですから、それを伝える役割が「事業計画書」となります。
面接であなたの会社をアピールするときに、「口頭」で行うのではなく「書面」で行うのです。
「事業計画書」は、融資の希望条件や事業内容を明確な形で日本政策金融公庫に伝えることができます。
例えば、口頭で「自社の売上は今期は前期に比べ3割アップする」といっても、融資担当者は聞いてはいますが、メモまでは取りません。
それを事業計画書で、売上がアップする根拠を誰にでも理解しやすいように書くと、口頭で伝えるより効果があります。
こうして書面で書かれたものは、稟議書に添付資料として添付されます。
ということは、審査を通しやすくするにあたってあなたが伝えたいことが、そのまま日本政策金融公庫の融資決裁者までしっかり伝わるということです。
次はこちらをご覧ください。